俺が東京で出会った、天〇陽菜という女性。

彼女には不思議な力があった。

空に向かって祈ることで、雨雲を払い、
天気を晴れにすることができるのだ。

そんな事が人間にできる訳ないと思うだろう。
だが俺は、彼女の隣で何度もその力を目の当たりにしてきた。

100％の晴れ女───

そんな噂が都内に広まりつつある中、
陽菜さんと俺は、その力を使って人々に晴れ空と笑顔を届けてきた。


今日も陽菜さんが天気を晴れにする。

彼女には既に両親がなく、弟と二人、
都内のボロアパートで生活している。

そんな不幸な家庭環境にありながら、普段の陽菜さんは
それを微塵も感じさせず、祈りを終えた彼女の表情は
空に負けないぐらい晴れやかだった。

俺が彼女を支えてあげたい───

傲慢だと言われるかも知れないが、やがて俺は、
陽菜さんに対してそんな感情を抱くようになっていた。


最近、陽菜さんの様子がおかしい。

何かあったのかと尋ねても生返事を返すばかりで、
会話にならない。

だが、陽菜さんの沈んだ表情を見れば
何かあったのは明らかだった。

俺は、陽菜さんがいないタイミングを見計らい
アパートに忍び込むと、彼女に悪いと思いつつ、
何か手掛かりがあればと部屋の中を探し回す。

そして見つけたのは、1台のビデオカメラだった。

生活に窮する彼女がこんな物を持っているはずがない。
嫌な胸騒ぎを覚えつつ、再生ボタンを押す。

そこには、信じられない映像が映し出されていた───


シナリオ解説画像を含め、本編217枚、フィルタなし差分186枚です。
※ シナリオ解説画像を除き、テキスト・擬音等はありません


イラスト:reapersthighs 様
（画像の生成にStable Diffusionを使用しています）
シナリオ:ジョー岡田